見逃していた「蜩ノ記」という素晴らしい映画を観ました。
このタイトルの漢字が読めずに、なんとなく硬そうな、退屈そうなイメージで、数多くの映画賞を受賞した作品とは認識していたものの、これを映画館で観ていない事を後悔しました。
まずは、原作がとても面白い作品であったことが要因であり、冒頭から身を乗り出して観たくなるほど、物語が面白く、数多くの時代劇が世に出ている中で、まだまだ知られていない、武士、侍の習わしがあるものと、新たな発見があります。
第二に、作品全体に家族への思い、武士の誇り、生き方、友への思い、夫婦の在り方など多くの哲学が、武士道を基にさりげなく描かれていて、おそらく多くの映画、ドラマ、小説はこんな風に作ってみたい筈なのを、この映画は成功しています。
第三はキャスト、スタッフが適材なのでしょう。東宝映画とあらば、黒澤作品ですが、小泉監督をはじめ、多くの黒澤組の生き残りと言っては失礼ですが、エンドタイトルをくまなく見てしまいました。
そして、この作品で助演男優賞を受賞しているそうですが、岡田准一さんの殺陣、型、アクション以外でも隙のない所作に感服します。役所広司さんはこの作品だけではありませんが、切腹を覚悟した武士の役は唯一無二です。
堀北真希さん、適役です。
この映画を検索すると、当時の皇后両陛下がご覧になった写真が出てきました。納得です。
背筋がピンとなり、明日から己を律して正しく生きよう!などと思いたくなる映画体験でした。 ☆☆☆☆
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幸田 (土曜日, 13 5月 2023 18:06)
千葉さんの4つ星珍しいですね。よほどいい映画なんですね。
配信で探して観ます。
高橋 (木曜日, 08 6月 2023 16:42)
これはいいですね。岡田准一さんと役所広司さんがビシっとキマッテます。
冒頭からエンドタイトルまで背筋が伸びる映画です。