真珠湾、ミッドウェー、昭和天皇とマッカーサー

wowwowの終戦記念特集として、観ていなかった2作品を観ました。これがなかなかの秀作で、新たな発見もありました。

太平洋戦争について、興味が増す理由によく言われるのが、小学校、中学校の歴史の授業で詳細に教わっていないからというのがあります。考えてみれば真珠湾攻撃からまだ30年足らずの1970年代の小学校では、どのようにして、なぜアメリカを攻撃したのか、それは抜き打ちだったのか?など学校で子供はもちろんの事、教員が話題に出来るとは、今小学校時代を振り返って思えません。小学校の歴史は大化の改新や織田信長でやっぱりよかったのかもしれません。

しかし、この傾向は中学、高校でも続き、会社に入り、先輩達から山本五十六の本を読め!昭和天皇が亡くなり、なぜ国全体で喪に付すのか、そこからどうしても太平洋戦争責任の話を聞き、自分は幸運にもハワイに赴任し、お客様の案内で訪れた、真珠湾、空母アリゾナ、ミズーリ戦艦、でみた記録映像に衝撃を受けました。

 

それでも、今回この2作品を観て、新たな発見があります。「ミッドウェイ」は40年も前に三船敏郎が山本五十六、ヘンリーフォンダがマッカーサーになる映画がありましたが、これはアクション・スペクタクル映画の範疇でした。今回の2018年版のミッドウェーは真珠湾攻撃を受けたアメリカが、どれほど日本を恐れていたかが描かれ、半信半疑ながらミッドウェーで無線傍受しながら反撃し、そこから山本五十六、戦艦大和を失い、終戦までがよくわかり、余計なドラマはなく、本作こそ歴史の授業になります。

新たな発見は、この戦争では両国の戦闘機が大きな戦力のイメージですが、お互いに燃料に困っており、ゼロ戦がそのまま自爆攻撃の特攻隊に結び付く様は知っていましたが、米軍が東京を大空襲した後は、アメリカに戻る燃料はなく、中国にほとんど不時着していたのは知りませんでした。

 

また「終戦のエンペラー」は昭和天皇を戦争責任者として東京裁判にかけるのか?が焦点になっていますが、マッカーサー元帥が天皇制と、日本人がどれだけ天皇を神格化しているかを考慮し、戦犯としなかったというのが、やや美談めいた認識でしたが、この映画では、マッカーサーの部下が東条英機を始めとする、政府関係者、宮内庁職員達から、裁判証拠としての証言を集めていく努力が大変だったことが描かれます。

 

毎年、この時期に思うのは、つくづくこの終戦、敗戦、そして日本の戦後復興に感謝です。

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コメント: 3
  • #1

    遠山 (土曜日, 21 8月 2021 18:38)

    ミッドウェーは前作と本作もみましたが、新しい方が断然いいですよね。むかしの戦争映画は製作国の肩入れが激しすぎで、21世紀以降になって戦争映画を公平な視点で描かれるようになってます。これはスピルバーグ監督、クリントイーストウッド監督の努力です。

  • #2

    高野 (火曜日, 24 8月 2021 08:23)

    80年代に社会人になった人達は、先輩に本を読めってよく言われましたね。
    デールカーネギー。

  • #3

    宮前 (水曜日, 25 8月 2021 21:50)

    もし、当時のマッカーサー占領軍が疑いもなく、昭和天皇を東京裁判に被告として召喚していたら、その有罪、無罪は別としても、戦後に生まれた私たちの天皇に対する考え方、象徴イメージも違ったものになった筈です。憲法も天皇制もマッカーサーにより形つくられた事は、紛れもない事実だと思いますよ。