今年の大河ドラマは、撮影が中断し、最終回が2月になりましたが、それでも短縮版になってしまった様です。しかも、開始前には、主演女優の逮捕劇、降板もあり、話題に事欠かないNHK大河ドラマでした。
が、内容はなかなか丁寧に創られていた感があり、近年では珍しく、毎週欠かさず観ました。
最終回後には、その本能寺の変の描き方に対して、おそらく過去の作品と比較して、賛否両論あるみたいです。
私見ですが、是です!!
今回の明智光秀は権力争いや、殿に謀反といった、過去の作品とは違い、シェイクスピア劇のような、自身との葛藤がオペラのように映像で表現され、これは黒澤作品に通づるものがあります。
何より、衣装は黒澤和子さんの監修で、これに異を唱える声もあった様ですが、このきらびやかな原色衣装が、作品中何度も、幻想のいきもの麒麟を求めるロマンを後押ししていました。
中間管理職と言っては、現代的ですが、長谷川博己さんの光秀は武将でありながら、常に自身の生き方に懐疑的に悩む場面があり、その弱さもみせて、親近感が沸き、本能寺の変でも「織田信長の首を獲った!」というよりも、殿との出会いを邂逅の思いで振り返る姿は新鮮でした。
ただ、やはり残念なのは、帰蝶を演じた川口春奈さん、結構な貫禄で成功でしたが、あれを沢尻エリカさんで観てみたかった思いは、その昔、勝新太郎さんが黒澤作品で降板された「影武者」をやはり武田信玄は勝新太郎さんでと、感じた思いと似ているのです。
毎週日曜の楽しみが一つなくなりました。
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真島 (月曜日, 08 2月 2021 22:51)
衣裳は黒澤和子さんだったんですね。急に素晴らしい色彩に見えてくる。
遠山 (火曜日, 09 2月 2021 17:14)
本能寺の変で、夜明けで明るいという映像は初めてでしたが、何時に光秀がのりこんだのかは、史実として明確ではないのでしょうか?暗い内に襲撃のイメージでした。
前川 (土曜日, 13 2月 2021 13:34)
光秀は確かに中間管理職的なイメージが強いですが、今回の大河では足利幕府に傾倒していた点が、強く描かれていてその点も新鮮でしたね。