ビートルズが昔、ドイツ語でレコードを制作していた理由は彼らが、アマチュア時代にハンブルグでライブ活動を行っていたからだと、そのドイツ語盤を聴くことはありませんでしたが、このアカデミー作品賞候補作は、いきなりその答えを冒頭で教えてくれました。
おとぎ話なのか、風刺なのか、反戦映画なのか観客に自由に判断を任せる、テンポのいい作品です。
何よりも、主人公の10歳の男の子の母親になる、スカーレット・ヨハンソンが抜群です。いつからこんな自由な演技をする大女優の貫禄を持ちえたのか、驚きです。
特に、父親のいない息子が「寂しい」と言うと、髭をつけて父親のようにふるまう場面は、独壇場です。同じく母親役でアカデミー助演女優賞の候補になっている、キャシーベイツと、甲乙本当につけがたい貫禄です。
そして、映画の最後は思わぬ驚きを見せ、踊りだす主人公がラストだけ、デビットボウイのように踊ってくれました。ビートルズも、デビットボウイもドイツ語でレコーディングしていた事を、映画の中でヒットラー役で登場するこの監督は、一番思い出させたかったのかもしれません。しばらく、デビットボウイを聴きたくなります。
☆☆☆★
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豊田 (火曜日, 04 2月 2020 21:23)
デビットボウイ、こうやって写真で見ると、人間離れした美形である事がはっきりわかりますね。もう亡くなってから3年以上です。
友田 (火曜日, 04 2月 2020 21:54)
何年か前に、たけしさんがハリウッド映画でスカーレット・ヨハンソンと共演した際に、その大スターとしての扱われ方に驚いたという話を、していましたが、大物感のある女優であることは間違いないですね。順番からしても、今年は主演とこの映画の助演で候補にあがっている事もあって、彼女のスピーチがアカデミー賞で聞けるような気がします。
金田 (水曜日, 05 2月 2020 14:04)
ナチス政権時代の母子の話に、デビッドボウイがどう結びつくのか興味深いです。見たいと思うのですが、もう上映劇場が少なくなっているみたいです。アカデミー賞を獲ったらアンコール上映に期待します。
玉井 (木曜日, 06 2月 2020 12:29)
この映画とワンスアボンナタイムはナチスドイツつながり、そして半地下つながりです。これから公開の1971にもつながりがみえます。今年のトレンドが少し見えます。