「男はつらいよ」最新作第50作を観ました。
この映画も評判すごくいいです。確かに、渥美清さんや歴代の女優陣、吉永小百合さん、大原麗子さん、八千草薫さん、竹下景子さんが登場し、「北の国から」の吉岡秀隆君が「おじさんに会いたい」と言えば、
「ずるい!」と思いつつも画面に引き込まれます。
ところが、この新作はそれだけでなく、思い出ばかりに浸る事無く、現実の世界も見せており、その避けたくなる、現実と、過去の美化された思い出に逃避してばかりではいけないという、山田監督、脚本のメッセージがありそうです。
小学生の時に松竹の劇場で見ていた、寅さんシリーズは大抵、立ち見でタバコの煙が舞う館内を、叔父さんや、両親が座席を見つけると、一番に自分を座らせてくれ、映画が終わると遠くの席や、立ち席から両親が迎えに来ました。
小学生から中学の卒業まで、毎年お正月の松竹映画は寅さんと、ドリフターズの映画の2本立てで、どちらかと言えば、ドリフターズの映画の方が楽しみでした。「男はつらいよ」の良さがわかり始めたのは小学校を卒業するころです。
大学に入り、松竹大船撮影所でアルバイトを始め、お正月映画の「男はつらいよ」を12月の第一週までアルバイトの自分を含めて徹夜作業をした経験があります。いつのまにか、アルバイトの立場を忘れ、なんとか映画を27日の公開時に映画館に届けなくてはと、皆で必死になった事と、とにかく山田監督に近寄りたくない、怒られたくない一心でした。
今回の新作にもそんな山田監督にスタッフがピリピリしている感じが伝わって、そこに懐かしさと喜劇感を感じてしまいます。
思うことは、偶然にもスターウォーズとこの寅さんは完結した感がありますが、この寅さんは「渥美清さんに捧げる」とある様に、やや後ろ向き、スターウォーズには子孫が先祖に与えられた命題、運命を自分の手で変えていく希望があり、国民性の違いかなとも思います。 ☆☆☆
個人的には今NHKで放映されている、常盤貴子さんがさくら役の「贋作男はつらいよ」と「少年寅次郎」の方が笑えて好みです。
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冨田 (金曜日, 24 1月 2020 14:28)
山田洋次監督は90歳近いのではと思います。昨年から精力的に寅さんと健さん作品のオマージュを制作してますね。
飯田 (土曜日, 25 1月 2020 13:31)
仰ることわかります。歴代のマドンナが登場するラストはやっぱり泣かされちゃいます。喜劇は純粋に笑わせてくれればいいのに、哀しさがむずかゆい感じですね。