ブリット

英語の会話レッスンをして池袋文芸坐に行く。いや、映画の時間に合わせてレッスンスケジュールを組むと言った方が正しい昨今です。

先週のダーティハリーに続き、今週も好きな映画10本の1本ブリットを観てしまいました。この映画は自分がおそらく生まれて初めて映画館で観た映画です。もちろん細部の記憶はありませんが、「大きな劇場で車が坂道を暴走し、その向こうに海が見える」そんな記憶が鮮明に残っています。

2回目がその記憶をたどり、小学生の時新宿ピカデリーのリバイバル上映に行きました。映画ファン成りたて、マックィーンの当時の新作パピヨンを心待ちにしていた自分にとって、衝撃的なヒーローの誕生でした。

ブリット刑事の口数の少ないスマートな行動がそのままマックィーンの印象となり、こんな大人になりたいと強く思ったものです。その後何度もこの映画を観ると、脚本、演出、音楽、撮影、編集すべてがこのヒーローを作り上げている要因になっている事がわかります。

当然恋人役のジャクリーンビセット、というかこの映画の役が理想の女性像にもなっています。好きな場面は有名なカーアクション、大追跡で犯人の車を大破させてしまい、上司に叱られたブリットが警察署の車庫に適当な車がなくジャクリーンビセットが黄色のポルシェで迎えに来る場面です。

そういえば、アメリカに赴任した時、このポスターを部屋に貼っていた僕の部屋を見たのか、「ブリットが運転していたムスタングを買わないか?」と同僚に誘われた事がありました。この映画の公開から既に25年後のことです。ぼろぼろのそのムスタングはおそらく乗り込んだら床がぬける様なありさまでしたが、フォード社に対するアメリカの信頼度を感じた事を思い出します。★★★★